非モテが戦わなくてはいけない恋愛妄想

Facebookに登録だけしてあるという人は少なくないと思う。学生は学校の課題でやったりもするのだろうか。かっこいい子ちゃんも登録だけしてあるようだ。

Facebookはもっとアクティブにサービスを活用してもらおうと、知人らしき登録者をメールで紹介してくる。使用している端末のアドレス帳などから分析しているらしい。無視しても何度も何度も送ってくる。大抵は一度に6人紹介してくるのだが、先日紹介されたのはたったの二人。かっこいい子ちゃんと、過去に俺に告白してきた唯一の女の子だった。何かFacebookに見透かされてる様な気がして恐怖を覚える。

なんでよりにもよってこの二人なのだ。
何かのフラグなのだろうかと考えてしまう。恐らくただの偶然なのだろうが。

先日、半年ぶりにかっこいい子ちゃんにLINEを送ってみたのだが、既読はつかない。やはりブロックされているのだろうか。それとも待ち受けに表示されるメッセージだけ読んで放置してるだけなのか。

会えない理由だった卒論も就活も終わっているはずである。新社会人になる用意、卒業旅行なんかのお祝いで忙しいのかもしれない。良くて「忙しくてまた落ち着いたらメールします」なんじゃないかとも思っていた。彼女との二度目のデートにたどり着くまではそんなことを繰り返して、結局一年も待たされてしまった。でも既読スルーはおろか、既読すらつかないなんてことはなかった。これは同じ職場で働いていたことによる恩恵も多いと思う。今や二人がお互いの同意なしに再会する可能性はゼロである。俺に対しどんな振る舞いをしようが、彼女がダメージを受けることはない。

前述したFacebookのこともあり、久しぶりに妄想も膨らんでしまう。感触も悪くなかったし、失敗らしい失敗もなかった。男として力をつけたことは、同時期に主婦子さんをホテルに連れ込めたことでも証明された。１０年の努力がついに結ばれると思っていた。だから認めたくないと思ってしまう。

交際に反対する誰かが、かっこいい子ちゃんのLINEを勝手にいじってブロックしてしまい、彼女はそれに気づかず、Facebookから俺の様子をうかがっている。それがFacebookからの紹介メールにつながっているのでは？もしそうなら、俺はFacebookを使って彼女と連絡をとり、安心させてあげなくてはいけない！

…ひどい妄想である。
AKBのメンバーと相思相愛だと思い込み、振られて運営に邪魔されたと裁判を起こしたオッサンの気持ちも分からなくはない。恋愛経験が無いから、非モテは自分の妄想にリアリティを感じてしまう。だからこういう事態に陥らないよう、シンプルなルールを自分に課している。「返事がないのは興味がないから」。そして「デートもしてくれない女の子が自分を好きだという可能性は無い」。引き際を心得てこそ、非モテでも恋愛しようとする資格があるのだと自分で考えている。



１０年やってきて、まぐれ当たりの一つも起こらないのは、なにか前世で呪いをかけられてるからだろうかとか考えたりすることもある。異常と言えば異常だ。何か常人と違い、根本的に欠けた部分が自分にはある。今回のFacebookの一件と絡んで、ひとつ呪いの正体が判明した様な気がした。次回に続く。