美容師さん攻略編・第2回

いよいよ美容師の女の子攻略編第二回、「アドレス渡すの巻」を実行する日がやってきた。

　キモいとか思われたらどうしよう。出禁になったりして。ああ面倒臭い、いやだいやだと思いながら、大きめのポストイットにアドレス写す。ノリの部分は切り取る。事前にこんなメモ忍ばせていくというのがダサっぽい。名刺とかあればスムーズなんだけど。こんな時、電車男の「（電話）かける時は誰でも最初は手が震えるんだよ」という言葉を思い出し、力をもらう。もう１０年ぐらい同じような事をしているが、憂鬱な時間なのは変わらない。


　お店につき、席に案内され、対面の鏡を見る。今日はなかなか良い顔をしている。玉山鉄二級のイケメンと言っても過言ではなかろうと思った。良いタイミングで良い顔の日が巡ってきた。これでもう逃げることは出来ない。アプローチするなら今日がベストだ。

　そんなことを考えているとお目当ての子と二人っきりになるタイミングが巡ってきた。流れで子供好きかという話になり、互いに子供好きということで同調してワンポイント。「友達がみんな結婚して子供ができて取り残されてしまった」みたいなセンタリング的な情報も引き出し、流れが非常に良い。サービス業あるあるで「友達と休みが合わない」という話も出てきて、「自分たまに美容院の定休日に休みとれますよ」と同調。「こんど一緒に遊びに行きましょう」と攻めてみる。「そうですね（笑）」という返事。

あらー？

「あたし、××行ってみたいんですよ。」
「（いっしょに）行きましょう！」
「そうですね（笑）」

むむー？

気のせいかもしれないが、前回よりあまり心の揺れが感じられない。前回は奇襲だった。一ヶ月の間に、いろいろシミュレーションを重ねてきたのかもしれない。慣れた女のそれ、社交辞令にも聞こえる。

　アドレス渡さない方が無難かなとも思えてきた。渡すタイミングもよく分からないし。髪を洗ってもらってる間、他のスタッフがちょこまか行ったりきたりしていて邪魔。回数を重ねてそのうちもっとテンションが上がった時を見計らって…というチキンの虫が騒ぎ始めてきた。

しかしここで渡せば、結果がどちらに転ぶにせよ気分的には相当楽なのだ。髪を洗い終わって、席に戻った時に周囲に人がいないのを見計らってアドレスを渡す。ポストイットがちょっとへたってて、かっこ悪いなと思った。渡した後の彼女のリアクションをあまり思い出せないのだが、なんかなんかあまり気乗りしてない感じだったようにも思えてきた。「どうも」とか「ありがとうございます」とか社交辞令的に言っていたのかな？テンパっていたのか、現実を直視したくないのか、あまり思い出せない。

その後、二人とも無言。軽くマッサージして終わり。なんかフォロー入れればよかったかなとも思ったが。一応、最後に挨拶はしてくれた。

なにはともあれやるべきことはやれた。
あとはメールが来るかこないか。
来たとしてデートにつながるかどうか。

どちらに転がるにせよ、ブログ読んでくれる人たちにはお楽しみ。
期待して待て。
祝杯になるのか残念会になるのか、とっておきの一本を用意して待て。